PDF を JPG にしたら画質が粗い・小さい:DPI の選び方と PNG を使う場面
PDF を画像に変換したら、文字がぼやける、画像が小さすぎる、印刷サービスにもっとピクセル数が要ると言われた。用途ごとの解像度の選び方、文字や図に使うなら JPG か PNG か、1ページだけ取り出す方法、そしてスクリーンショットがいちばん悪いやり方である理由。
PDF の文字は拡大するたびに描き直されるので、どの大きさでもくっきりしている。画像は、変換した瞬間に決まったピクセルの格子だ。その格子より大きく引き伸ばすとぼやける。「PDF を JPG にしたらぼやけた」という悩みは、ほぼすべて格子が小さすぎることに行き着く。
画像がぼやける・小さくなる理由
格子の大きさは解像度で決まる。ふつうは DPI(dots per inch)で表し、ページ1インチあたり何ピクセル描くかを示す。US レターのページは 8.5×11インチなので、72 DPI なら 612 × 792 ピクセルの画像になる。これをスマホやノートパソコンの画面いっぱいに広げると、1ピクセルが何ピクセル分にも引き伸ばされる。
| DPI | レターサイズ1ページのピクセル数 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 72 | 612 × 792 | サムネイル |
| 96 | 816 × 1056 | モニターでページ全体を見る |
| 150 | 1275 × 1650 | 画面で読む、メッセージ、SNS |
| 200 | 1700 × 2200 | スライド、拡大して見られる資料 |
| 300 | 2550 × 3300 | 印刷、細かい文字、図面 |
A4 のページなら、150 DPI で約 1240 × 1754、300 DPI で 2480 × 3508 になる。DPI を2倍にするとピクセル数は4倍になり、容量も変換時間も一緒に増える。最大にするのではなく、用途に合わせて選ぶ。
用途ごとの DPI
よく引っかかるのが印刷だ。この Mac ユーザーは、オンラインの印刷サービスに出すポートフォリオをレイアウトしていた。
The online service accepts JPGs. … when I use this feature, the images are exported at 144dpi. So a 10"x10" page exports as 1440x1440 px. The problem is that I need the JPG to be 3000x3000 px.
訳:「そのオンラインサービスは JPG を受け付ける。……この機能を使うと、画像は 144dpi で書き出される。だから10×10インチのページは 1440×1440 px になる。困ったことに、JPG は 3000×3000 px 必要なのだ」。スレッド「export to image」DPI より。書き出し元は Pages。
この投稿に法則がそのまま入っている。ピクセル数 = インチ × DPI。10インチを 300 DPI にすれば3,000ピクセルだ。投稿者自身が考えた代わりの手、つまり PDF に書き出して各ページを 300 DPI の JPG として保存する方法が、まさに正解になる。印刷所やアップロードの画面に DPI を指定されたら、ピクセル数を確かめる。ファイルのプロパティに記録された DPI の値はツールによってまちまちで、それだけではあまり意味がない。
- メール、メッセージ、画面で読む:150。文字が小さいなら 200。
- Instagram などの SNS:150 で十分。Instagram のヘルプセンターによると、写真は「最大 1080×1080 ピクセル」の範囲でできるだけ高い解像度でアップロードされるので、それより大きいものは縮小される。
- PowerPoint や Word:150 から 200。Microsoft のヘルプによると Microsoft 365 の既定の画像解像度は 220 ppi なので、それを大きく上回るものは、文書に入れた時点で下げられることがある。
- 印刷、図面、拡大して見られる細かい表:300。
- JPG しか受け付けないアップロード画面(応募書類やコンテストの応募など):たいていは容量の上限もある。上限を超えたら、JPG の品質に手を付ける前に DPI を1段下げる。
文字や図には JPG か PNG か
JPG は画像を 8 × 8 ピクセルのブロックに分け、目につきにくい細部を捨てて容量を減らす。写真ならうまくいく。白い紙の上の黒い文字だと、くっきりした輪郭のまわりに、うっすらとしたざらつきが出る。モスキートノイズと呼ばれることもある。品質の設定を上げれば減るが、なくなりはしない。
PNG はすべてのピクセルを正確に残すので、文字も表の罫線もグラフのラベルもきれいなままだ。注意が2つある。PNG はピクセルを増やさないので、DPI が低すぎてぼやけた画像は PNG にしてもぼやけたままだ。先に解像度を直す。もう1つ、写真だらけのページは PNG だと JPG の何倍もの容量になるので、そういうページは品質85〜90%の JPG のほうがいい。
透明な背景
PDF を PNG に変換しても、背景は透明にならない。PDF を透明な背景で作っていてもだ。Adobe のフォーラムで、あるデザイナーがまさにこれにぶつかった。
I've exported an illustration from illustrator to pdf with a transparent background. It worked, and in acrobat it also has a transparent background. But when I try to export it as a png, it always gets a white background. it drives me mad.
訳:「Illustrator からイラストを背景透明のまま PDF に書き出した。うまくいって、Acrobat で見ても背景は透明になっている。なのに PNG として書き出そうとすると、いつも白い背景が付く。頭がおかしくなりそうだ」。2022年12月、1,399回閲覧。
返事はそっけなかった。「Acrobat には透明で書き出す機能がない。PDF はいつも白の上に描かれる」。PDF のページは、白い紙に印刷されるかのように描かれる。ロゴや図形を透明な背景で欲しいなら、PDF からではなく、それを作ったソフトから PNG を書き出す。
PDF のスクリーンショットが粗く見える理由
スクリーンショットは、その瞬間に画面が表示しているピクセルを記録する。レターのページ全体を 1920 × 1080 のモニターに収めると、高さは1,000ピクセルに届かない。計算すると約90 DPI かそれ以下だ。しかもビューアは、画面に収めるために文字をすでに縮小してなめらかにしているので、キャプチャもそのぼやけを引き継ぐ。どうしてもキャプチャするなら、必要な部分が画面いっぱいになるまで拡大し、その部分だけを撮る。1段拡大するごとにピクセルが増える。
プレビュー、Acrobat、Windows でできること
Mac ならプレビューで、追加のソフトなしでできる。PDF を開いて「ファイル」>「書き出す」を選び、「フォーマット」ポップアップメニューで JPEG か PNG を選ぶ。macOS Tahoe 26 向けの Apple のガイドには JPEG の品質の調整は出てくるが、解像度については何も書かれていない。ただ利用者の報告を見ると、同じダイアログにピクセル/インチ単位の解像度の欄(英語版では Resolution)がある。Big Sur を使っていた Apple Community のある利用者は、それを 72 から 300 に変えても画像が「とても低画質」のままだったというので、書き出したもののピクセル数は確かめたほうがいい。もっと大きな落とし穴はページ数だ。
How do I get both pages of my pdf to convert to jpeg? It's only taking the first page.
訳:「PDF の2ページとも JPEG に変換するにはどうすればいい? 1ページ目しか変換されない」。2020年3月、macOS 10.15。
Apple のガイドには、PDF の全ページを一度に画像として書き出す方法は見つからなかった。
Adobe Acrobat Pro ならできる。英語版の表記で File > Export To > Image と進んで JPEG を選び、Settings ボタンで解像度を決める(Adobe のブログ記事に 600 DPI での手順がある)。複数ページなら、Adobe によると「各ページが個別の画像ファイルとして保存される」。有料のプランで、Adobe の米国向け Export PDF のページでは、年間プランで月19.99ドルとなっている。無料の Acrobat Reader は、閲覧と共有のためのものとして紹介されている。Adobe のオンライン変換には前歴がある。19,543回閲覧された2017年の Adobe Community のスレッドで、PDF Pack を買った人が「どの画質を選んでも、同じ低い画質と同じ画像サイズで出てくる」と書き、コミュニティのエキスパートは、長いほうの辺がいつも1,024ピクセルになることを確かめた。今もそうなのかは確認できなかった。
Windows には、PDF のページを画像ファイルとして書き出す標準の機能は見つからなかった。2026年8月に Microsoft の Tech Community で同じことを聞いた人に対して、何も入れずにできる方法として挙がったのは Snipping Tool だった。つまり、上に書いたスクリーンショットのやり方だ。
1ページだけ欲しい、30個のファイルの順番が狂う
たいていの変換ツールは1ページにつき1枚の画像を作るので、30ページの PDF なら30個のファイルになる。1ページだけ要るなら、そのページだけを別の PDF に抜き出して変換するか、全部変換して要る1枚を残す。文書が長いときや DPI が高いときは、前者のほうが早い。
次はファイル名だ。名前を1文字ずつ比べて並べる場所では、page1, page10, page11, page2 の順になる。画像を続けてアップロードしたり添付したりすると、順番がばらばらになる。数字をゼロで埋めた名前(01, 02 … 30)なら、どこでも正しく並ぶ。
このサイトの PDF → JPG を使う
PDF → JPG と PDF → PNG は、PDF を一度に1つ受け取り、72、96、150、200、300 DPI から選べる。最初は150が選ばれている。JPG には40〜100%の品質スライダーがあり(最初は90%)、PNG は劣化がないのでスライダーはない。「変換する」を押すと、全ページを順に描く。結果の画面では画像ごとにピクセル数と容量が出て、名前は report_01.jpg のようになる(PDF が10ページ以上ならゼロで埋める)ので、順番が崩れない。2枚以上なら「まとめてダウンロード(ZIP · 30件)」が出る。すべてブラウザの中で動き、PDF はアップロードされない。スマホのブラウザでも動くが、40MB を超える PDF では、スマホのメモリが足りなくなるかもしれないという注意が出る。
できないこと:ページを選ぶ(先に PDF分割を使う)、300 DPI を超える、透明な背景を残す(PNG の出力も白で塗られる)。JPG がまだアップロードの上限を超えるなら、画像圧縮でまとめて品質を下げられる。
よくある質問
- ぼやけた JPG をくっきりさせられますか?
- ほぼ無理だ。足りないピクセルは失われている。PDF が手元にあるなら、もっと高い DPI で変換し直す。
- スキャンした PDF も 300 DPI にすればくっきりしますか?
- スキャンしたときの解像度までしか上がらない。スキャンはもともと PDF の中の画像なので、それ以上にしても容量が増えるだけだ。
- 300 DPI だとファイルが大きすぎます。
- 200 に下げる。ピクセル数は約44%になる。写真の多いページなら、JPG の品質を80%前後にするのも効く。
- WebP で欲しいのですが。
- PDF のツールが作るのは JPG か PNG だけだ。結果を画像圧縮に通し、形式に WebP を選ぶ。
- 変換した画像から文字をコピーできますか?
- できない。文字は画像の一部になっている。元の PDF からコピーする。
最終更新 2026年9月30日 · 2026年9月30日時点。macOS Tahoe 26 向けの Apple のプレビューのガイド、Adobe の Acrobat Pro のページ、Microsoft 365 のヘルプ、Instagram のヘルプセンターで確かめた。このサイトのツールは pdf.js 6.3 でページを描いている。