PDF を1つに結合する方法と、うまくいかないところ
複数の PDF を1つにまとめる作業が、Windows、Mac、iPhone のどこで止まるか。結合したファイルの順番が狂った、白紙のページが出た、大きすぎて送れない、というときに何を直せばいいか。
結合の仕組みは単純だ。前のファイルの最後のページの後ろに、次のファイルの最初のページが続く。つまずくのは2か所。結合してくれるものを見つけるところと、できたファイルを開くところだ。
Windows には結合がなく、Acrobat Reader でもできない
エクスプローラーで PDF を複数選んで右クリックしても、「結合」のような項目はない。次によく思いつくのは、まとめて「Microsoft Print to PDF」で印刷し、1つのファイルになるのを期待する方法だ。2021年6月に Microsoft Q&A に投稿された質問(20人以上が「同じ問題がある」と印を付けている)に、実際に何が起きるかが書かれている。
The Print option in Explorer doesn't merge the files, it merely prints them to PDF separately. I don't see a print dialogue, only a save file dialogue once I click on print, and there's a separate save file dialogue for each file I selected.
訳:「エクスプローラーの印刷はファイルを結合しない。1つずつ別々に PDF に印刷するだけだ。印刷を押しても印刷のダイアログは出ず、保存のダイアログが出るだけで、しかも選んだファイルの数だけ出てくる」。質問「Can't Merge multiple PDF files into one file in Explorer」より。
質問者が戸惑ったのには理由がある。ネットの解説ではこの方法でできると書かれていて、画像ではうまくいっていたのだ。PDF でやると、PDF 1つにつき1ファイルができるだけになる。同じサイトの別の質問(2020年)への回答は、はっきりこう書いている。「Windows にも Office にも、PDF を結合するツールは付いていない」。
Acrobat Reader を入れていても変わらない。Adobe は Reader を「主に PDF の表示、印刷、簡単な注釈が必要な人」向けのものと説明している。Adobe Community のフォーラムで、Reader でファイルを結合できなくなったのはなぜかと聞いた人(4,783回閲覧)への返事は、「Reader でファイルを結合できたことは一度もない。ただ、Reader から使えるサブスクリプションを契約すれば、オンラインで結合できる」だった。Adobe が無料で出しているのは、Web 版の PDF 結合ページだ。ファイルは100個まで、1ファイル500ページまで、結合後は1,500ページまで。Adobe によると、ファイルは Adobe のサーバーで処理され、サインインして保存しない限り削除される。
となると、Windows での道は3つ。無料のソフトを入れるか、Web サイトにアップロードするか、ブラウザの中で動くツールを使うか。最初の2つを、始める前から外す人も多い。2025年の Windows 11 のフォーラムから。
a.) I don't want to pay an Adobe subscription and also have to download their bloatware. b.) And because there's confidential information on existing pdfs, I don't want to upload them to any free website, either.
訳:「a.) Adobe のサブスクにお金を払いたくないし、あの重たいソフトを入れるのも嫌だ。b.) それに手元の PDF には機密情報が入っているから、無料の Web サイトにもアップロードしたくない」。スレッド「How can I merge pdfs?」より(2025年2月)。
返信では PDFsam や LibreOffice のような、インストールして使うツールが挙がった。ソフトを入れてよい環境なら、どちらも妥当な選択だ。入れられないなら、ファイルを自分のパソコンから出さないブラウザのツールが残る。
Mac と iPhone ならできる。ただし落とし穴がある
Mac ならプレビューでできる。Apple の案内では、PDF を開き、それぞれのウインドウで「表示」>「サムネール」を選び、片方の PDF のサイドバーから、使いたいサムネールをもう片方のサイドバーへドラッグする。末尾にも、ページとページの間にも入れられる。
落とし穴は同じ案内の中にある。「プレビュー書類に加えた変更は自動的に保存されます。」送られてきた契約書に別紙をドラッグすれば、その契約書のファイル自体が変わってしまう。元のファイルを残したいなら、先に「ファイル」>「複製」で複製を作り、そちらで作業する。
Finder のほうが早い。ファイルを選び、Control キーを押しながらクリックして、「クイックアクション」>「PDFを作成」を選ぶ。Apple の注意書きはこうだ。「ファイルは、選択した順序でPDFに表示されます。」名前の順ではなく、クリックした順ということだ。順番が大事なら、Command キーを押しながら、最初のファイルから1つずつクリックしていく。
iPhone と iPad では「ファイル」App でできる。ただ、Apple の公式ユーザガイドにはその手順が見つからなかった。Apple サポートコミュニティの回答に手順がある。右上の「…」ボタンを押して選択の状態にし(英語表示では Select)、PDF を選んだら、右下の「…」ボタンから PDF を作成する項目(英語表示では Create PDF)を選ぶ。回答した人は、見落としやすい理由をこう書いている。
What messed me up the first time I tried the instructions is that there are two different icons with three dots. The first one you use is at the top right. The second one is at the bottom right.
訳:「最初にこの手順を試したとき混乱したのは、点が3つ並んだアイコンが2つあることだった。最初に使うのは右上、2つ目は右下にある」。スレッド「Merging documents feature on iPad IOS18 missing」への返信(2025年2月)。
ページの順番がおかしくなった
複数のファイルを一度に渡すと、順番はプログラムが決める。名前の順のものもあれば、クリックした順のもの、ファイルが届いた順のものもある。
| 結合の方法 | 順番を決めるもの |
|---|---|
| Mac の Finder、「クイックアクション」>「PDFを作成」 | ファイルを選択した順(Apple の案内) |
| 名前を単なる文字の並びとして並べるプログラム | 1, 10, 11, 2, 3 |
| 名前の中の数字を数として読むプログラム | 1, 2, 3 … 10, 11 |
ファイル名を 1, 2, 3 ではなく 01, 02, 03 と付けておけば、どちらの並べ方でも同じ順になる。ファイルが10個を超えるなら、やっておく価値がある。
結合してから気づいたなら、やり直さなくていい。ページを動かせば済む。原稿送り装置に逆向きに通してしまい、1ページ目が最後に来た束なら、順番を逆にするだけだ。
パスワード付きの PDF が混じっている
メールで届く銀行の明細書や給与明細は、開くときにパスワードを求めてくることがある。中身が暗号化されているので、パスワードを持たないプログラムは、ページをコピーできてもそこに何が書かれているかは読めない。ツールによって、エラーになるか、結合は終わるのにそのファイルのページが白紙で出てくるかのどちらかになる。
このサイトの結合ツールは、今はロックされたファイルを追加した時点で止める。一覧でそのファイルに印を付け、パスワードが掛かっているので先に外すよう知らせ、結合には含めない。2026年9月30日に直すまでは、そのまま通してしまい、そのページが白紙で出てきていた。だから先にロックを外し、外したコピーを保存して、それを結合する。開くときに聞かれるパスワードが分かっているなら、PDFパスワード解除で消せる。自由に開けるのに印刷や編集だけが止められているファイルは、その制限をかけたときのパスワードが要る。持っていないなら、送り主に制限のないコピーを頼むほうが早い。
結合したファイルが大きすぎる、ページの大きさがバラバラ
結合はページをコピーするだけで、小さくはしない。試しに 3.6MB と 1.8MB の PDF を結合すると 5.4MB になった。Gmail は個人アカウントなら添付25MB までで、それを超えると添付を外し、代わりに Google ドライブのリンクを入れる。仕事や学校のアカウントは、管理者が決めた上限になる。合計が上限に近いなら、結合の前にいちばん重いファイル(たいていはスキャン)を圧縮しておく。
ページの大きさもそのままコピーされる。A4 の書類と US レターの書類を結合すると、両方のサイズがファイルに残る。写真だともっと目立つ。このサイトの画像 → PDF で「画像のサイズのまま」を選ぶと、1ピクセルが1ポイントになるので、1200万画素のスマホ写真(3024×4032)は幅42インチ、高さ56インチのページになる。これをレターサイズのページと並べ、ビューアを幅に合わせて表示すると、レターのページは5分の1ほどの大きさに見える。写真を書類に入れるなら、「A4に合わせる」で PDF を作る。
ブラウザで結合する:このサイトのツールができること、できないこと
PDF結合は、ブラウザの中でファイルをつなぐ。何もアップロードせず、何もインストールしない。複数のファイルを一度に入れると、それぞれのページ数と容量、上に合計の容量が出る。ファイル名で並べ直すことはしないので、一覧を確かめて、つまみをドラッグして順番を直す(キーボードなら、つまみでスペースキーを押してから矢印キー)。結果のファイル名は自分で付けられ、新しいファイルとして保存されるので、元のファイルには手を付けない。
結合したあとで順番を直すなら、PDFページ並べ替えでページをドラッグするか、1回のクリックで文書全体を逆順にできる。サムネイルは120ページまでしか出ないので、それより後ろのページはドラッグできない。
できないこともある。結合しながら圧縮はしない。2つのファイルを1ページずつ交互に組むこと(A の1ページ目、B の1ページ目、A の2ページ目)はできない。表面と裏面を別々にスキャンしたものを1つにするには、これが必要になる。それからしおり、つまり一部の PDF がサイドバーに持っているクリックできる目次は、結合したファイルに引き継がれない。教科書や長い報告書の目次を頼りにしているなら、どのツールを使ったにせよ、送る前に結果を開いて確かめてほしい。
よくある質問
- 結合すると画質は落ちますか?
- 落ちない。ページは描き直さずにそのままコピーされるので、文字も画像も元と同じだ。
- 写真と PDF を一緒に結合できますか?
- PDF結合が受け付けるのは PDF だけだ。写真(JPG、PNG、iPhone の HEIC)は、先に画像 → PDF で PDF にしてから結合する。
- 結合のボタンが押せないままです。
- 読める PDF が2つ以上必要だ。「PDFとして読めません」と出ているファイルは数に入らない。
- 結合したファイルから数ページ抜きたい。
- 結合し直す必要はない。PDFページ削除で消せばいい。
- スマホでも使えますか?
- 使える。スマホでファイルの合計が40MB を超えると、ブラウザのメモリが足りなくなるかもしれないという注意が出る。その場合はパソコンのほうが確実だ。
最終更新 2026年9月30日 · 2026年9月30日時点。Adobe のオンライン PDF 結合ページ、Apple のプレビューと macOS のユーザガイド、Gmail の添付ファイルのヘルプをこの日に確認した。このサイトの結合ツールの動作(ロックされたファイル、しおり、ページサイズ、容量)は、同じ日にサンプルのファイルで試した。